横浜市 はるさま 晴太郎くん(ヨークシャー・テリア ♂)

横浜市 はるさま 晴太郎くん(ヨークシャー・テリア ♂)
晴太郎(ヨークシャテリア 男の子)がウチにやってきたのは、生後8ヶ月の頃です。
何気なくペットショップをのぞいた時、せまいガラスケースの中で、ヨーキーにしては大きい体で窮屈そうにしていて、毛もボサボサで、あまり大事にしてもらっていないなーと思いました。
ヨーキーが好きだったので、抱かせてもらったら、とても人なつこくておとなしかったのを覚えています。
お店の人に「売れ残っちゃって・・・このまま売れないとどうなるか・・・」なんて言われたので、居ても立っても居られない気持ちになって、ウチで育てることにしました。
男の子を育てるのは初めてだったのですが、ウチに着いた途端、部屋中にマーキングをされてビックリしました。

ずっとさみしい思いやつらい思いをしてきたんだろうなという気持ちから、少し甘やかしすぎてしまったのかも知れませんが、それからの日々は戦いの日々でした((+_+))
トイレのしつけも大変でしたが、「お店で出会った時のおとなしさは何だったんだ!!」というくらいヤンチャで、特にお散歩中は全く制御がききませんでした。
引っ張りはもちろんですが、なぜかホウキを持った人や作業着を来た人を敵視して吠えかかろうとしたり、自転車に飛びかかろうとしたり。
道に落ちているタバコの吸い殻や石ころ、アスファルト片、鳩フンなどを口に入れようとするので、あわてて吐き出させようとすると、歯をむき出して怒り、唸って威嚇してきました。
それでも無理やり口の中に手を入れて吐き出させようとすると、力の限り手をかまれ、血だらけになりました。小さいながら犬歯で咬まれると本当に痛くて、かなり深い傷になりました。
怒るときの目の色がいつもと違って野生の目になるというか・・・自分の10分の1ほどの小さい身体の晴太郎に心底恐怖を覚えました。

それからは、本当に色々な本や雑誌、インターネットでしつけの方法を探したり、しつけ教室を探して回ったりして、「これがいい」と聞けば、とにかく実践してみるのですが、何をしてもほとんど効果がなく、途方に暮れました。

それでもいつかはいい子になってくれると信じていたのですが、ある日、晴太郎を抱いて帰る途中、マンションの清掃員の方と廊下ですれ違った時に、清掃員の方に向かって激しく吠えだしたので、「だめ!」と言って手で押えようとした瞬間、私の手を咬んできました。
咬んだ後も、なかなか離そうとせず、野生の目の色で唸りながら咬み続けてきたので、手からはダラダラと血が流れ、痛さと情けなさで涙が出ました。
こんなに一生懸命世話をしているのに、なんでこんな事をするんだ!と思うと、憎しみさえ湧いてきてしまいました。

このままではダメだと思い、わらにもすがる思いで、かかりつけの獣医師に相談をしたところ、ドッグスクールユナイテッドを紹介して頂きました。
正直、「どうせ他の所と同じだろう」と思い、当初はそれほど期待していませんでしたが、とにかく今のままでは晴太郎を育てる気力を失ってしまうと思い、磯山さんにお願いすることにしました。
座間にスクールがあるとのことで、ウチまで送迎に来てもらえるのかどうか不安でしたが、快く了解してもらえて安心しました。

最初のうちは、月10日のレッスンで、2週間に1回の合同レッスンを行いました。
磯山さんは、単に「ああしなさい、こうしなさい」と言うのではなく、晴太郎がどういう気持ちでそういう行動をしているのかという点から丁寧に説明してくださり、晴太郎を変えるには、まず私自身の意識や日頃の接し方から変えなければならないと教えてもらいました。
「かならずいい子になりますよ。いい子になると、目の感じも変わってきます」と言われ、出来るかも知れないという気持ちになれました。

第一歩として、「嫌なことを我慢させることから」ということで、咬まれても痛くないように、グローブを貸して頂き、毎日毎日、晴太郎をひっくり返して押えるという練習をしました。他にも、長いリードを使って、「座れ、マテ、おいで」の練習や、横をついて歩く練習など、段階的に練習を積んでいき、出来るようになったら、早朝の人のいない公園に行って、リードなしで「座れ、マテ、おいで」の練習をしました。
日々の練習で困ったことや、うまくいかないことがあれば、磯山さんに相談し、アドバイスを頂きながら、とにかくあきらめずに続けていくことを心掛けました。

明らかな変化が見られたのは、ひっくり返して押えるという練習が、力で押さえなくても出来るようになった頃です。晴太郎は抵抗することなく、おとなしくひっくり返された状態でいられるようになり、私に対して歯をむいて威嚇することもなくなりました。

今では、ホウキを持った人や作業着を来た人に吠え掛かるようなこともなくなり、たまに道に落ちているものを口に入れても、手を入れて吐き出させることができるようになりました。
歯磨きも、口の奥の方まで手を入れても我慢してくれるようになりました。
咬まれたときの傷はいまでも残っていますが、傷を見て、そんなこともあったなぁと懐かしく思い出します。

磯山さんは「トレーニングに終わりはありません。気を抜いたらまた元に戻ってしまう。毎日がトレーニングだと思ってください」とおっしゃっていました。
その通りだと思います。ペットはかわいいけれど、玩具じゃない。それぞれ個性があって、野生の血も流れているから、言葉やおやつだけでコントロールできると思っていたら、また不幸な関係になってしまう。
そのことを肝に銘じて、これからも晴太郎といい関係を築いていきたいと思います。

ドッグスクールユナイテッドに、磯山さんに出会えて本当に良かったです。ありがとうございました。